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きみはポラリス/三浦しをん

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最近お気に入りの三浦しをんさんの短編集。
最初にこの人の名前を「をしん」と読み間違えてしまったせいで、今でも時々間違える。名前って一旦インプットされると、なかなか修正できないよなー。どうでもいいけれど。

短篇集だからか、どれも話は中途半端な感じで終わっている。一つ一つ読み終えるごとに、「え、続きはどうなるの?」と言ってしまいそうなもやもや感が残ってしまう。
それでも引き込まれる文章はさすがです。

# by honochimama | 2012-03-05 23:27  

ペンギン・ハイウェイ/森見登美彦

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またしても森見ワールド全開。「どうしてペンギンなんだ?」とか「こんな奇特な小学生がクラスに二人もいるもんか」なんて突っ込んではいけない。

まずは小学生らしくない大人びたアオヤマ君の魅力にノックアウト。「怒る」ということをしないようにしているアオヤマくんは、怒りそうになるとおっぱいのことを考える。おっぱいについて考えていると怒る気にならなくなるんだと。感情が下向き加減になった時にはおっぱいのことを考える。何かと、というよりも、しょっちゅうおっぱいのことを考えている素晴らしい小学生男子だ。

いじめっ子に水泳の授業中に水着を脱がされたときの対処方法は、これ以上ないくらいベストだった。我々大人もアオヤマくんを見習わないといけない。

アオヤマくんはさておき、彼が研究している「お姉さん」(名前はない)も非常に魅力的である。
森見氏の本の登場人物はどれも魅力的で無駄がない。

最後はとてもせつなくて電車の中ではとても読めなかったので、ラスト数ページだけは家で泣きながら読んだ。

アオヤマ君がお姉さんと結婚できるといいよね。

# by honochimama | 2012-03-04 20:49  

ユリゴコロ/沼田まほかる

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ずっと読みたくて、待ちに待ったこの作品。期待を裏切らない作品だった。
やっぱりこの人の読み手を引き込む力はすごいなーと改めて思った。

実家の押入れから人殺しの手記が出てくる。それは亡き母が書いたのか、或いは余命いくばくもない父なのか、それ以外の人物なのか。
しかも手記の中に出てくるいくつもの殺害方法は、いずれも残虐で生々しい。

答えが知りたくて、どんどん読み進めてしまう。
亮介と婚約者との関わりがイマイチ物足らない感じがするけれど、それ以外では私の好みにドンピシャリだった。
人間らしい感情を持てずに、快楽のためだけに人を何人も殺してきた人物は、世の中に罰される事はなかったけれど、家族に大きな罰を受けた。子供を持つ身の私自身は、ついつい殺されてしまった罪のない子供とその親の気持ちを考えてしまう。もちろん一番かわいそうなのは殺された人たちだけど、本書での殺人者が一番悲劇だったのは、子供を育てて初めて自分の罪深さを自覚してしまったということ。殺人者にとっての悲劇が、ほんの少しでも被害者の救いになるんだろうか…と考えてしまった。

ラストの更に続きが気になってしまう。この余韻がまたいい。

# by honochimama | 2012-03-03 23:49  

RIKA(リカ)/五十嵐貴久

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AKB48のうっちーこと内田真由美ちゃんがブログで薦めていたので読んでみました。

話は主人公が出会い系サイトに夢中になるところから始まる。ここでテンションががくっと下がった。お好きな方には申し訳ないけれど、私個人はどうも出会い系サイトというものに拒否反応を示してしまう。吉田修一の「悪人」を読んだ時もそうだったけど、小説中に「出会い系」と出てくるだけで、全部がイヤになってしまう。

ただ、この「RIKA」は本文半ばからがすごかった。出会い系サイトで知り合ったリカがどんどんおかしくなってくる変人ぶりが「それはナイわ…」と引くぐらいなのに、なぜか先が読みたくてどんどん進んでしまう。ここまでのひどい人間が何の証拠も残さずに捜査の網の隙を簡単にすり抜けていっているという不自然さ。
殺しても殺しても死なない究極の不自然さ(笑)

ある程度まではリアルで怖かったのに、最後はリアルを通り越してただの化け物になってしまっていたのが残念。

# by honochimama | 2012-03-02 23:17  

エッジ 上/鈴木光司

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久しぶりの更新です。ずっと本は読んでいたのですが、記事を更新する時間がなかなか取れなくて困っておりました。「えーっと、何の本を読んだかな…」と思い出そうとすると、既に何を読んだか忘れてしまってる有様(笑)

リングが流行った頃にリングシリーズを夢中になって読んでおりましたが、今回は久しぶりに鈴木光司の本を手に取りました。
世界のあちこちで人が忽然と姿を消して行方不明になる現象が続発。不思議な現象はとっかかりとしては興味深かったのですが、残念ながら主役である女性・冴子がちっとも魅力的に見えない。

天文学や物理学、いろんな分野が話にからんでいくストーリーは興味深いのに、登場人物に魅力を感じられないのは残念。

下巻は読まずにいようかな…とも思ったけれど、結末が気になるので、一応読んでみようと思います。期待薄かなー。

# by honochimama | 2012-03-01 23:16