人気ブログランキング | 話題のタグを見る

神様のカルテ/夏川草介

神様のカルテ/夏川草介_b0226275_10591366.jpg
前日に読み終えたのが後味の悪い本だったので、お口直しのために“近々読もう”と思っていたこの本を選びました。

大当たり~~♪
とても素敵で気持ちのいい本でした。大満足。もう一回読み返そうと思います。
長編小説かと思いきや、主役の栗原先生中心の三つのエピソードから構成された本でした。

栗原先生の変人だけど誠実なお人柄も素敵ですが、周囲の人々も全員一癖ありながらも温かくて心地良いし。こういう気持ちのいい話を読みたかった。
医者じゃないとこんなこまかい描写は書けないだろうと思っていたら、案の定作者はお医者さんでした。納得。
理系のお医者様がこんなこまかく微妙な心理まで描写をされているなんて、文理ともに秀でてらっしゃる方なんだなーと嫉妬せずにはおれません(笑)

栗原先生は本当に素敵な医者で、変人だけど常に患者の気持ちに沿って治療してくれる先生。こんな先生いたらいいなーと思う一方で、作者はこんな医者でありたいと思いながら書いたのかなとも感じます。

早く続編の「神様のカルテ2」を読まなくては!

# by honochimama | 2011-07-16 11:10  

だれが産むか/橋口いくよ

だれが産むか/橋口いくよ_b0226275_1025544.jpg

読んでいてとっても不愉快になりました。なんなんだ、この次々と出てくる登場人物の性格の悪さは。
キャラクターの性格付けとして意地悪だったり嫉妬深かったりではなくて、普通の人ぶってるその口調や態度の端々に見え隠れするいやらしさ。もしかしたら作者はそんなうすら暗いキャラクターを描いている自覚はないかもしれない。

もしかして作者本人がこんな性格なのかしら…と疑わずにいられない。

好きでもない友達と友達のフリをして、内心毒づきながらつき合うっていうのは、全っっったく理解できないので、表面上いい顔をして友達や旦那に文句ばかり言っている(考えている)この登場人物達には全然感情移入できませんでした。


自分には合わなかったわ。酷評だけど。

# by honochimama | 2011-07-15 10:08  

誰か/宮部みゆき

誰か/宮部みゆき_b0226275_2344560.jpg

前回誤って「誰か」の続編である「名もなき毒」を先に読んでしまったので、やっとすっきした気分です。やはり宮部作品としては地味な印象がどうしてもあるけれど、主人公の杉村三郎氏の誠実さが気持ちよくてとても好感が持てます。
財閥グループの婿殿で、探偵の真似事をさせられたり、次々とトラブルに巻き込まれていくのに、どうして地味な印象が拭えないのかなと考えてみたのですが、どうも杉村三郎氏が派手な人間関係に影響されないぐらい地味な人間だからだという気がします。地味で誠実な人、好きですね~。自分も地味なので親近感♪

桃ちゃんの成長を見たいので、是非とも更なる続編を希望します。
地味に。

# by honochimama | 2011-07-14 10:04  

ラストラン/角野栄子

ラストラン/角野栄子_b0226275_9432487.jpg

魔女の宅急便シリーズを書かれていた著者の本です。

どちらかというと児童文学のジャンルになるんでしょうか。そのせいか、あまり深い描写はなく、「イコさん」と「ふーちゃん」のツーリングが淡々と続く。
幽霊のふーちゃんはイコさんにしか見えないんだけど、「どうして見えるのかしら?」「そうね、どうしてかしら?」という二人のやりとりがしつこいぐらいに長く続くので、「それさっきも言ったやん」と本に突っ込みそうになります。

最後はハッピーエンドでもなく、バッドエンドでもなく、「あ、あれっ!?」と肩すかしをくったような終わり方でした。悲しい終わり方でも良かったのになーと思う反面、子供が読むのならこの方がいいのかしら…と葛藤。

老人のイコさんが大型バイクにも乗れるのを自慢して「ナナハンにも乗れるのよ」というのはまだいいにしても、それを聞いた青年が「ナナハンか~、僕も乗りたいな。」というのには違和感。「ナナハン」=大型バイクの代名詞のような表現は、作者の年齢上仕方ないのかな…。

あー、バイク乗りたい。ナナハンじゃなくて600ぐらいでいいから。

# by honochimama | 2011-07-13 09:53  

ホームレス中学生/田村 裕

ホームレス中学生/田村 裕_b0226275_6423254.jpg

図書館をぶらぶらしている時に、ふと見た本棚の片隅にこの本がぽつんと置いてありました。あぁ、そういえばまだこれ読んでなかったなー…と思い、借りて帰った翌日、麒麟・田村裕の結婚話がTVで報道されていました。「今更」と思っていたのに、逆になんてタイムリー。

文章はとても拙いのに、かえってそれが心に響きました。小学生の時に亡くしたお母さんが本当に大好きだったという気持ちがストレートに伝わってきて、不覚にも何度か涙しました。

何よりも彼がすごいのは、自分たちを見捨てたお父さんに対して、全く恨みがないこと。逆にお父さんの境遇に同情すらしている心の広さ。
お友達の親や近所の方々の好意でなんとか生活基盤を作っていく少年田村ですが、それすら「周囲に親切にしてもらえる自分。それを育ててくれた親に感謝。」と言える男前っぷり。

自分の子供達にもそんな考えができる人間になってほしいもんです。
その前に自分だな…。

# by honochimama | 2011-07-09 07:02