チルドレン/伊坂幸太郎

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図書館で予約をして、「まだかなー、まだかなー」と待ちこがれてやっと手元にきた本。またしてもやってしまいました。読んだことのある本でしたー。それどころか持ってる本でした(笑)
でもせっかくなので読み直してみた。

陣内というめちゃくちゃな人間は、とっても伊坂さんぽい。伊坂さんは「現実にいたらいやだなー、こんな人うっとうしいだろうな」という人間を描くのがとても上手い。しかもそんな人間が魅力的ですらある。

「チルドレン」は陣内を中心に、いくつかの短篇で構成されている。全体として陣内という一人の話でもある。よくできてる本です。


いいかげん一度読んだ本をまた借りたり買ったりってのをなくしたいなー…。
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# by honochimama | 2012-01-16 15:01  

硝子のハンマー/貴志祐介

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事件発生からトリックを暴くまで、その経過を非常に緻密で丁寧な段取りで描写している。あーでもない、こーでもないと推理が右往左往するさまに同じように引っ張られて、「なるほど!」「…これじゃアカンわ」と喜んだり落胆するのは楽しいものだった。

弾道の計算式まで出しているところや、介護ロボットの設定内容や、防犯に関しての説明、どれもこれもリアルで細かい。それだけに文章に説得力があって、最後まで目が離せなかった。

防犯コンサルタントと称する榎本が怪しいのに真面目で熱心なのが魅かれる反面、主役級の弁護士・純子にはあまり魅力を感じなかった。弁護士という職業の割には、考えが浅はかで感情的なんだもん。

登場人物と同じようにあれこれ推理をしながら進んでいってたのに、あと少しで事件の真相に届きそうという後半になって、いきなり犯人目線での語り口になってしまったので、なんとなく純子と榎本が置いてけぼりになったような気分がしたのが残念。

泥棒と弁護士というありえない組み合わせだからこそ、最後には純子と榎本にはちょとしたものでいいからロマンスが生まれて欲しかったなー…と思うのは楽天的かな。
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# by honochimama | 2012-01-15 22:58  

オー!ファーザー/伊坂幸太郎

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前作、前々作があまり手ごたえのない本だったので、「面白い本でありますように」と祈るような気持ち半分、伊坂さんだから面白いに違いないという期待半分で読み始めました。

読み始めてすぐに「あ~久々に伊坂さんらしくて好きな本かも♪」という予感があり、その予感は的中しました。期待通りでよかった!
でもこの作品が最近書かれた作品ではなく、数年前に新聞連載で掲載されたものだと知ってちょっと寂しくなりました。やっぱり今の伊坂さんには、かつての愉快すぎる面白い作品は難しいのだろうか?というイヤ~な予感。こちらの予感はぜひとも当たって欲しくない。

相変わらず次々と伏線らしき小ネタがあちこちに散らばっているので、あっさりとした最後では、伏線の全部をちゃんと消化されたのだろうか?と不安になり、また読み直してしまった。
伊坂作品を読むといつもこうです。(たぶん私の覚えが悪いだけなんだろうけど)

主人公の由起夫は、女子目線から見てとても格好いい。無駄に熱くない高校生なのが格好いい。喜怒哀楽の激しい高校生男子が主人公だと、オバちゃん読んでて疲れちゃうからさ。
伊坂さんの得意そうな悪人も数名出てくるのが、スパイスが効いていていい。裏社会の人間が登場すると、伊坂さんの作品はピリッと締まる気がする。裏社会の人間を描くのが得意なんだろうね。人の良さそうな作者なのに(笑)

結局振り込め詐欺の犯人はどうなったんだという疑問は残るものの、読んでいて爽快感のある楽しい本でした。


現在伊坂さんは朝日新聞の夕刊で「ガソリン生活」という連載をされていて、今の私の楽しみの一つとなっています。ただ、伊坂さんの話を少しずつ読むのって、面白いけど辛いです。一冊まとめて読んでも伏線が多くて大変なのに、毎日少しずつしか話が進まないなんて、絶対に数ヶ月後には最初の頃の話を忘れているに違いないもん。(あくまで私の場合)
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# by honochimama | 2012-01-10 14:47  

ピエタ/大島真寿美

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作曲家として有名なヴィヴァルディが教師として奉職していた「ピエタ音楽院」が舞台となっている。作中ではヴィヴァルディは没後まもない頃を描いていて、彼の愛弟子達や恋人が生前のヴィヴァルディを懐かしむように交流を持ったり、過去の出来事やちょっとした謎を追っていく。

ピエタ音楽院は別名ピエタ慈善院付属音楽院ともいい、その名の通り捨てられた赤ん坊を育てる孤児院のような役割と共に、育てた子供に高度な音楽教育を施す場でもあった。
そこで育ったエミーリアとアンナ=マリーアが、かつての師であったヴィヴァルディの死を悼みながらも、ふとしたことから彼の知られざる過去に少しづつ触れていく。

物語は静かに深く流れていくように語られる。かつてのヴェネツィアはこんな現実離れした都市だったんだなーという雰囲気でもある。
亡きヴィヴァルディ以外、男性はほんの少ししか登場しない。お互いに関わりを持つようになった女性達は、濃密な関係を築いていくのが気持ちいい。なのに、既に死亡しているヴィヴァルディが物語のいつも中心に存在しているのが、独特の謎めいた雰囲気を作っていてとてもいい。

ラストで謎が明白になった時、ヴィヴァルディの存在が更に浮き出ってくる。会った事もないヴィヴァルディの生前の姿が浮かんでくるようでもある。

ドラマチックな変化が起こるような物語ではないけれど、静かで濃厚。厳粛な気持ちになる。
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# by honochimama | 2012-01-09 16:37  

オジいサン/京極夏彦

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タイトルが気になったので、ワクワクしながら手にとって読んだ本ですが、予想を裏切ってくれる本ではありませんでした。
「死ねばいいのに」同様、妖怪とは全く無縁の、京極さんっぽくない内容です。

とりとめのない老人(オジいサン)の思考がそのまま活字になって並んでいる状態が終始続いているので、読みながら呆けてしまいそうになります。
だからといって面白くないというわけではなく、オジいサンの何気ない日常と思考には「ああ、あるある!」と笑顔でうなずいてしまいます。

平和な日常は退屈と隣り合わせでもあります。
この作品を退屈と思うか、ほのぼのして心地いいと思うかは、読み手次第だと思います。

最後の電気屋さんの告白は、唯一大きく心動かされたシーンでした。
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# by honochimama | 2012-01-06 23:31