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オジいサン/京極夏彦

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タイトルが気になったので、ワクワクしながら手にとって読んだ本ですが、予想を裏切ってくれる本ではありませんでした。
「死ねばいいのに」同様、妖怪とは全く無縁の、京極さんっぽくない内容です。

とりとめのない老人(オジいサン)の思考がそのまま活字になって並んでいる状態が終始続いているので、読みながら呆けてしまいそうになります。
だからといって面白くないというわけではなく、オジいサンの何気ない日常と思考には「ああ、あるある!」と笑顔でうなずいてしまいます。

平和な日常は退屈と隣り合わせでもあります。
この作品を退屈と思うか、ほのぼのして心地いいと思うかは、読み手次第だと思います。

最後の電気屋さんの告白は、唯一大きく心動かされたシーンでした。
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by honochimama | 2012-01-06 23:31  

完全なる首長竜の日/乾 緑郎

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家族の関係が希薄な話は、読んでいてとても寂しくなる。淳美は家族だけでなく、恋人すらいない。親しい人間もいない。私が淳美だったら…と思うと、そんな人生さびしくて耐えられない。
自分の環境を寂しいとすら感じていない様子の淳美が余計に寂しい。なぜ淳美が寂しいとも思っていない様子だったのかは、最後に判明するのだけれど。

現実なのか仮想現実なのか……、二つの世界が絶えず交差しているので、段々とこちらの頭がおかしくなったような錯覚を覚える。
途中から「もしかして…」とオチが見えてしまったのが残念。

「このミステリーがすごい!」で大賞に輝いた作品だけど、私にはあまりピンときませんでした。
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by honochimama | 2012-01-05 23:03  

死ねばいいのに/京極夏彦

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衝撃的なタイトルです。何度見ても慣れません(笑)

京極さんといえば妖怪がらみの話しか読んだことがなかったので、「死ねばいいのに」はまるで別人が書いた話のようだなと思いながら読んでおりました。
ケンヤのバカっぽい話しぶりに多少イライラもしますが、何も考えてなさそうな会話なのに、実のところ的を射てている所も多いのが面白かったです。

ただ、誰に対しても結局は「死ねばいいのに」と持っていくところが強引だな~。
ケンヤに教えてあげたい。誰も彼も皆、結果や答えばかりを求めてるわけじゃないんだよって。こんな悩みがあるとか、こうしたいけど上手くいかないとか、苦悩を口にする人間は「マルかバツか」の解答を聞きたいわけじゃない。聞いて欲しいだけだったり、「大変だね」と相槌を打って欲しいだけだったりする。「死ねばいいのに」はまさしく「マルかバツか」よね。

物語の大半がもどかしい会話で構成されているので、あっという間に読み終わります。話が重いんだか薄いんだか、はっきりしないまま読み終えてしまいました。
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by honochimama | 2012-01-04 22:53  

フリーター、家を買う。/有川 浩

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ドラマをちらっと見てからずっと読みたかった本です。やっと読めて大満足♪
ドラマもよかったけど、やっぱり原作にはかなわない。

「図書館戦争シリーズ」や「ストーリーセラー」にも共通するけど、有川さんの作品にはどうしようもなくダメな父親とそれに対立する娘という構図が度々登場する。これ以上ないっていうぐらいに理不尽で亭主関白なダメ父を描いて、娘がそれに気持ちいいぐらいの打撃を与える。もしかして有川さんも父親に半端ない反感を持ってる…?と勘ぐってしまう。

ただ、「フリーター~」には反発する強い娘だけでなく、ダメな父親に手をさしのべるやさしい息子がいた。誠治の存在は本作全体と通して大きな救いとなってる気がする。
ダメ父とウツ母にとってもそうだけど、成長していく誠治は大悦の会社にとっても、そこで出会う社員達にとっても救いになってる。誠治本人は立派な人徳者というわけでもなく、最初はむしろ父親とは違う種類のダメ人間だったのに、段々と社会性と思いやりを身に付けていくうちに周囲も変わっていく。
良くなるために自分を変えようと心がけている人間は魅力的にうつるんだよねー。

読後は「人にやさしくありたいな」という気持ちが残りました。こういう気持ちいい本をもっとたくさん読みたいな。
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by honochimama | 2012-01-02 22:27