2012年 01月 15日 ( 1 )

 

硝子のハンマー/貴志祐介

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事件発生からトリックを暴くまで、その経過を非常に緻密で丁寧な段取りで描写している。あーでもない、こーでもないと推理が右往左往するさまに同じように引っ張られて、「なるほど!」「…これじゃアカンわ」と喜んだり落胆するのは楽しいものだった。

弾道の計算式まで出しているところや、介護ロボットの設定内容や、防犯に関しての説明、どれもこれもリアルで細かい。それだけに文章に説得力があって、最後まで目が離せなかった。

防犯コンサルタントと称する榎本が怪しいのに真面目で熱心なのが魅かれる反面、主役級の弁護士・純子にはあまり魅力を感じなかった。弁護士という職業の割には、考えが浅はかで感情的なんだもん。

登場人物と同じようにあれこれ推理をしながら進んでいってたのに、あと少しで事件の真相に届きそうという後半になって、いきなり犯人目線での語り口になってしまったので、なんとなく純子と榎本が置いてけぼりになったような気分がしたのが残念。

泥棒と弁護士というありえない組み合わせだからこそ、最後には純子と榎本にはちょとしたものでいいからロマンスが生まれて欲しかったなー…と思うのは楽天的かな。
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by honochimama | 2012-01-15 22:58