さよなら渓谷/吉田修一

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「悪人」はあまり好みではなかったけれど、なんとなくもう一度吉田修一を読んでみたくなって、この本を開いた。
やっぱり終始もやもやする。事件そのものが解決したわけじゃないから?

隣人の女が自分の息子を殺した容疑で逮捕されたというのも、実の娘を殺した畠山鈴香の事件と重なるし、大学の運動部の男子学生が一人の女子を集団レイプしたという事件も、実際にあった事件と重なる。どちらの事件も非常に不愉快な事件として深く印象に残っているだけに、本を読みながら無意識に眉根を寄せていた気がする。

吉田修一の作品に登場する人物というのは、自分の現状に不満を持っているくせにその自分を積極的に変えようと努力したり奮闘したりという潔さがない。事件に巻き込まれた不幸は自分の努力ではどうしようもないけれど、その先も不幸になる以外道はなかったんだろうか?とつい意地悪な見方をしてしまう。
でもそのあたりがもやもやの原因なんだろうな。
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by honochimama | 2012-02-06 23:54  

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