荒野/桜庭一樹

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読んでいる間中、頭の中に浮かんでいた画像は、吉野朔実の「少年は荒野をめざす」の狩野都。15年以上前に読んだ漫画なのに、とても好きだったので今でも印象強く心に残っている作品です。

「私の男」と違ってエロチックな描写は全然なく、中学生・荒野の思春期の微妙な心の揺れが描かれていて、いつの間にか荒野の気持ちになって同じ時を過ごしているかのように錯覚してしまいます。

荒野は接触恐怖症という設定で、人に触れられるのを極端にイヤがる女の子なので、それがまた他人とは思えなくて愛着がわきました。
私も接触恐怖症。人と触れないように空いている早朝の電車に乗ったり、後妻さんに腕をつかまれて飛びのくシーンには深く共感(笑)
これってなかなか理解してもらえないうえに、わざわざ自分から説明もしにくいので、触れられてもひたすら堪えてしまうケースが多いのです。

本作中では特に書かれていなかったけど、荒野本人が成長して恋が順調になっていく過程と共に接触恐怖症も段々と落ち着いていきます。彼と躊躇なく手をつないだり、赤ちゃんの妹を抱っこしたり。

また、荒野と義母の関係がうらやましいぐらいの距離感でした。お互いに文句も言うけど、甘えたりもする。荒野にとっては初めての母親、義母にとっては初めての娘、それだからかな。
こんな風に人と関わりをもてるっていいな。
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by honochimama | 2011-08-01 06:02  

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