八日目の蝉/角田光代
2011年 06月 01日
これまた電車で読んではいけない本でした。
車内で一人うるうると涙ぐむ気持ち悪いオバちゃんをまたやってしまいました。
ひたすらせつないです。
この人は追いつめられた生活臭たっぷりの悲惨な女性を描くのが上手い。読みながら「あぁ、これからどうやって生きていったらいいんだろう…」とひたすらブルーな気分に陥ってしまいました。
一部を読み終えた時は、正直ほっとしました。「もう逃げなくていいんだわー」と。自分が逃げてるわけじゃないのに。
誘拐は決してよくない。けど、誘拐されてる時よりも戻ってからの方が不幸になってるのは皮肉やね。きっとあの子は子供を産んで育児をするようになったら、「あの人」への印象も変わってくるんだろうな。
だって赤ちゃんに限らず、乳児、幼児は放っておいたら死んじゃうよ。どんな環境であれ、子供が大きく育ってるってことは、親がおっぱいやミルクを日に何度も与えて、オムツを替えて、寝かしつけて…という大変な手間がかかってるんだから。
育児をしてると、「自分もこうやって大事に育ててもらったんだな」と思わずにはいられないもんね。
今の自分は幸せだよなーと実感。
by honochimama | 2011-06-01 23:02